フィギュアスケートのアレコレ

フィギュアスケートのアレコレについて語るブログです。

僕が選ぶ今季ベストプログラム 【女子SP編 第2位】

2012/13シーズンのお気に入りプログラム、女子SPの第2位はこちら。



2 ケイトリン・オズモンド ("Mambo No. 8 by Perez Prado""Gwendoline by Perez Prado")
僕がこのプログラムを好きな理由は、「見ていて楽しい!」というのももちろんありますが、なんというのかな、非常にSPらしいSPだと思うんですね。「ショートはこうでなくっちゃ!」みたいな。ひとつの性格を前面に押し出し、それこそ押して押して押しまくる!という。SPはこういう「勢い」が強みを発揮する競技だと思いますし、語弊があることは承知でいいますが、それで乗り切れると。

粗いといえば粗い、そういう面もあるかもしれない。しかし、それが味になる。勢いに転じる。いまの彼女にしかできないプログラムだとも思いますし、これで本格的なシニアデビューのシーズンに殴り込んだれ!名前売ったれ!…そう考えていたかはいざ知らず、結果的に「戦略」としてもすごくよいかたちで成立していたのではないでしょうか。

とにかく、彼女は動きに動きまくりますよね。それがいい。女子ではなかなかお目にかかれないタイプ。多様性という観点からとらえたトランジションについては、これから磨かれていくのではないかと。いま少し、そのわかりやすさだったり迫力を大事にしてほしいな。
迫力といえば、スピンのウィンドミル(イリュージョン)もそう。「ちょこんちょこんちょこん」になってしまう選手も少なくない中、彼女の場合は「グイングイングイン」または「ブウォンブウォンブウォン」。そのドッカンドッカンくる感じ、それが好き。上の動画では勢い余って?失敗していますが…。
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[ 2013/04/30 20:53 ] その他の記事 | TB(0) | CM(0)

「ISUコミュニケーション第1790号」について (2)

昨日の記事のフォローですが、スピンのいわゆる「8回転」については、こういうことではないかと。ロシアのマキシム・コフトゥン選手の演技を例に。



クロアチア・カップのSPにおける実施は、こんな感じだったのかなと思います。(青字がレベルの特徴)

▽CSSp (判定は「3」)
バックエントランス
シットフォーワード(+8回転
(足換え)
シットビハインド(+8回転

▽FCSp (判定は「2」)
フライングエントランス
キャメル姿勢(+8回転
キャメルサイドウェイズ

▽CCoSp (判定は「4」)
キャメル姿勢
シット姿勢(チェンジエッジ
アップライトフォワード
(足換え)
シット姿勢
同じ足でジャンプ
アップライトストレート

最初のCSSpは、足換え前にバリエーションで8回転以上回っている…ように見えます。足換え後の8回転についても、ギリギリ8回転以上回っている…ように見える。
次のFCSpは、バタフライから通常のキャメル姿勢で8回転以上回っている…ように見えますね。次のバリエーションも特に問題なく見えるので、特徴としては3つ数えられるかと思うのですが、判定は「2」。ということは、フライングエントリーとバリエーションが認定されているとすれば、必然的に前のスピンで8回転が成立していることになる。カウントされるのは、1つのプログラムで1度だけですから。コフトゥン選手がなぜ2つのスピンで8回転を意図した構成にしているかは、また別の問題(※)として。

そう考えた場合、少なくともCSSpで「8回転」は成立している。その他の特徴に問題はないとして、ここからはパターン別に。

両方成立している
この場合、足換え後の8回転はカウントされず。また足換え前にレベルの特徴が3つあることになりますが、片方の足で数えられるのは「2つ」までですから、前2つと後ろ1つで、レベルは「3」に。
前のみ成立している
同じく、足換え前にレベルの特徴が「3つ」あることになりますが、片方の足で数えられるのは「2つ」までですから、前2つと後ろ1つで、レベルは「3」に。
後ろのみ成立している
もしそうだとすれば、レベルは「4」になりますから、これはないと。

今度の変更点は、この両方成立していた場合に、足換え前(1つ目)ではなく「後ろ」(2つ目)を数えてあげましょう、そういうことだと思います。そうすれば、このコフトゥン選手のCSSpのレベルは「4」になるわけです。これは選手に益のある裁定、ですよね。



次は、ブラエオン・シュベルター杯。これはCSSpの足換え前後のバリエーション両方とも、8回転にはギリギリ足りないように見えます(レベル判定は「3」)。なので、次のFCSpにおける8回転(これは回っているように見える)が成立し、レベル「3」の判定になっているのではないかと。



次のファイナルは、どの8回転も成立しているように見えません。ですから、CSSp3&FCSp2になると。ユーロはCSSpの足換え前のみ成立しているパターンで、レベルは同じくCSSp3&FCSp2。世界選手権でようやく、この謎構成の変更がなされています。

ちなみに、以下のフリー(ファイナル)の最後のCSSpが、「一方の足に基本姿勢がない」の例かと。足換え後のシットビハインドの姿勢が、やや腰高(「スケーティングレッグの大腿部が少なくとも氷面と平行」になっていない)なんですね。そのため「レベル1」の判定になっていると思われるのですが、来季からはそれももらえないと。



以上です。この記事についても、取り扱いには十分ご注意を。恥をかくのは僕だけで十分だよ!
(※CSSpの足換え前については、「各足6回転」という要求される最少回転数を意識した結果なのかな?それにしても…なのですが)
[ 2013/04/30 20:17 ] ルール関連 | TB(0) | CM(0)

「ISUコミュニケーション第1790号」について

国際スケート連盟(ISU)より「ISUコミュニケーション第1790号」(Communication No. 1790, SINGLE & PAIR SKATING Scale of Values, Levels of Difficulty and Guidelines for marking Grade of Execution)が発行されました。以下、その内容(シングルに関する部分)をざっくりと。

▽各要素の基礎点および加減点幅についての変更はなし
ステップ
現行:1) シークェンス中のターンおよびステップが,やや多様 (レベル2),多様 (レベル3),複雑(レベル4)である(必須)
1) Minimum variety (Level 1), simple variety (Level 2), variety (Level 3), complexity (Level 4) of turns and steps throughout (compulsory)
→ レベル1獲得のための必須要件を新たに追加。ベーシックを設定したこととの絡み…ですかね?
Minimum variety must include at least 5 turns & 2 steps, none of the types can be counted more than twice.

現行:2) 完全に体が回転する両方向(左と右)への(ターン,ステップによる)回転.各回転方向とも全体でパターンの少なくとも1/3 はカバーすること.
2) Rotations (turns, steps) in either direction (left and right) with full body rotation covering at least 1/3 of the pattern in total for each rotational direction
→ 「(ターン,ステップによる)回転」になると。うーむ。

現行:3) 少なくともパターンの1/3 において上半身の動きを使っている
3) Use of upper body movements for at least 1/3 of the pattern (変更なし)

現行:4) シークェンスの中に素早く実行する,難しい3 つのターン(ロッカー,カウンター,ブラケット,ツィズル,ループ)の組み合わせ.異なるものを2 つ.
4) Two different combinations of 3 difficult turns (rockers, counters, brackets, twizzles, loops) quickly executed with a clear rhythm within the sequence
→ 「素早く実行する"with a clear rhythm"」 かー。うーむ。つまり、解説が必要だってことだな!

スピン (レベルの要件についての変更はなし)
○Feature 10 counts only once per program (in the first spin it is successfully performed; if in this spin 8 revs are executed on both feet, any one of these executions can be taken in favor of the skater).

→ 「特徴 10」とは、「姿勢/バリエーション,足,エッジを変更せずに少なくとも8 回転(キャメル,レイバック,基本姿勢の難しいバリエーション,非基本姿勢(スピン・コンビネーションのみ))」ですね。これについては、「数えるのは,プログラム中で(最初に成し遂げられた)一度のみである」とされていたわけですが、これがやや舌足らずだったというか問題があったというか、とにかく、この8回転が両足ともに行われた場合には、カウントする際「選手の利益になるよう」裁定がなされると。
要はですね、あるスピン(そのいい例が思いつかん)に対して、「1つ目をカウント→レベル3」ではなく、「2つ目をカウント→レベル4」にしてあげましょう、みたいな。もしかしたら、既になんらかの見解が明らかにされている部分なのかな?でも、結果的に「不利益」を被ったパターンを見たことがあるような気もしますし。
いずれにせよ、スピンそのものの必須回転数を満たそうとして、結果的に(バリエーションなりなんなりが)8回転になっちゃったとか、そういう選手が意図していない(と思われる)方ではなく、選手が意図した(と思われる)方を採用してくれるわけですから、このシステムの基本的な考え方をここでも踏襲した、そういうことだと思います。…たぶん。

○For Spins with change of foot at least one basic position on each foot is mandatory for Levels 1 – 4 in both Short Program and Free Skating.
→ 「足換えを伴うスピンでは,フリー・スケーティングにおいて,左右の足とも少なくとも1 つの基本姿勢を含むことがレベル2 – 4 を獲得するために必須である.ショート・プログラムにおいてこの要件が満たされない場合には,そのスピンにはレベルは無く結果として無価値となる」でしたから、要するに、SPにおいてもフリーにおいても、足換えを伴うスピンでレベル1以上を獲得するためには、「左右の足とも少なくとも1 つの基本姿勢を含む」ことが必須だと。
その意味するところは…フリーについて厳しくなることは間違いないですが、その中身ですよね?これまでのSPと同じ解釈になるのか、そうでないなら、SPについてはどうなるの?ということになるし。単純に考えればいいのかどうなのか。

GOE
○ステップとコリオシークエンスについて、プラス面の(ガイドライン)「8」、すなわち「音楽構造に要素が合っている」が"element enhances the musical structure"に。レベル要件の変更とあわせて見れば、その考え方について合点がいく…のかな?

○エラーに対するガイドラインのジャンプ(フリップとルッツ)について、「最終的なGOE の+-は制約されないエラー」として「"UNCLEAR EDGE TAKE-OFF F/Lz (no sign)"="-1"」という項目を追加。これに関しては、基本的にジャッジの裁量を拡大する方向で、これまでも改正が進んできましたから、その流れに合致するもの、ととらえて問題ないかと。サインがあろうがなかろうが、「自分の目」で見てくりゃれ。そんな感じ。

○エラーに対するガイドラインのスピンの「足換え」について、"Change of foot poorly done (curve of entry, except when changing direction/exit, moving to non-basic position. etc.)"に。「両方向」のスピンをもっとやってほしいんすかね?

以上です。いつもどおり、あくまで僕の解釈に基づいて(この記事は)展開されていますので、その取り扱いには十分ご注意ください。
今回はオリンピックシーズンということもあり、また間の年でもありますから、運用の変更、それも規模としては比較的小さなものに留まる、ということはいえるかもしれません。
が、ステップやコリオシークエンスに関する部分を見ると、結構(か大層かそうでもないかはまかせた!)重要なといいますか、(求める)「演技」についてのISUの考え方だったり、希求する方向性だったり、そんなものが見える改正になっているのかも。それってどういうこと?そんなこと聞かれても、僕に答えられるわきゃないけどね!
[ 2013/04/29 22:27 ] ルール関連 | TB(0) | CM(2)