フィギュアスケートのアレコレ

フィギュアスケートのアレコレについて語るブログです。

カロリーナ・コストナー選手のオリンピック

いちばん言いたいことから言います。ただただすばらしかったです。本当にすばらしかった。美しかった。そして思いました。ああ、これが「フィギュアスケート」だと。いつか見せてほしいとずっと願っていた演技を、このオリンピックという舞台で現実のものにしてくれた。もうなんと表現すればよいのか…とにかく、感無量とはこのことだ。

SPは、驚きました。まさかフリップ-トウでくるとは。得点的には1.20点の上積みで、それはSPでは決して小さくない点数なのだけど、それよりもっと大きい、ポイントでは表せない価値のあるトライだったと思う。ジャッジへのダメ押しとでもいうのかな。今回のカロリーナは違うよという。彼女の意気だったり、いま現在の充実ぶりだったり、そんないろんなものも伝わってくるジャンプだった。

報道によると、コーチにも相談しない「ひらめき」だったとか。すごいなー。体も心も、本当によい状態だったのだと思いますし、感触もよくて、それを信じて自然に出せる、気負いもない穏やかな佇まいだったのだろうな。
プログラムの変更についても、あらためて大正解だったなと。いや、『ユーモレスク』も好きだったけども。繰り返し言っとくけども。ただ、ここ一番で見たい、また彼女の魅力をより多く、大きく引き出すプログラムは、この『アヴェ・マリア』だった。
演技後のあの表情。こちらも心から「よかった…!!」と感じる瞬間でした。

フリーは『ボレロ』。また言おう。すばらしかったです。ステップは、震えました。ゾクゾクきました。ただSPのコンポーネンツは予想どおりのトップ。フリーも…あれ?違うの?そうですか…。そうですか…。そうなんですか…。懲りないオレ。

たしかに、後半のジャンプはクリーンとは言い難いものが多かったかもしれないし、少しジャンプのための時間になっているかなと感じなくもなかったのですが、でもコストナー選手が滑っているだけで、そのスケーティングを見ているだけで、どんぶり3杯は軽く平らげられるという僕にとっては、さほど大きな問題には感じられなかったし、それが全体を決定づける要素になり得るとは思えないし、とにかく、とにかくすばらしいフリーだったよ。スコアとか、もういい!って。よくはないけど、もういい!って。

それは奇跡のような時間だった、というと、怒られるだろうか。その銅メダルは、「私にとってこのメダルは金メダルに等しい。我慢強く、多くを犠牲にして苦しい練習をしてきたことが最後に報われた」(※)末に手にしたものだったのだから。あくまでその上に成り立つ演技だったのだから。
でも、それは奇跡のような時間で、まるで神様からの贈り物のような時間で、しかし彼女のこれまでのこの競技に対する献身があってこその時間で、それが享受できた喜びは、僕にとってたとえようもなく幸せなことで、いまはただ、それにすごくすごく感謝しています。その気持ちが向けられる先は、もちろん、この世界でいちばん素敵なスケーター、カロリーナ・コストナー選手です。そしておめでとう、カロリーナ。

(※www.asahi.com/articles/ASG2P1BWLG2NUTQP03P.html)
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[ 2014/02/26 23:20 ] 13/14終了した大会 | TB(0) | CM(2)

キム・ヨナ選手のオリンピック

まずSPの演技は、とてもよかったと思います。プログラムについては、やはりちょっと薄味かな…とは感じるものの、いまの彼女にマッチした素敵な作品だなと。技術的には、"3Lz+3T"の大事な試合での鉄板ぶりは見事というほかなく、気になったのはフリップぐらいだったような。SPの要素としてはどうなのか?というところなのですが、でもそれはキム選手に限ったことではないので。

最終滑走だったフリーも、全体としてはとてもいい演技だった。すばらしい内容だったと思います。ただ、対ソトニコワ選手ということでいえば、ジャンプの構成がやや及ばず、またクリーンに降りたジャンプも、彼女にしては余裕がないと感じられるものが多かったのではないでしょうか。本当に心から「らしい」と感じたのは、それこそ最初のコンビネーションぐらいだったかもしれない。その分、加点が伸ばしきれなかった。7.28点は十分高いといえる水準ですが、昨季の世界選手権の10.23点を考慮に入れれば、そう表現できると思います。

スピンはマックスの構成で臨めなかったことに加え、その実施も以前に比べれば力が落ちていたか。ステップもレベルは3。しかしゴールデンスピンのときとは見違えるようで、音楽をとてもよく表現した、すばらしいものだったと思う。
そういう向上した点もあったのですが、やはりプログラム後半の印象は弱かったかな…。それと体力面の不安が出た(ように見えた)ことも相まって、ジャッジに他の選手より強く、強力にアピールするまでには至らなかったような気がします。

怪我で出遅れた影響が拭いきれなかったのか、そのあたりはわかりかねるのですが、でもその中で彼女としてはせいいっぱいの演技を見せたと思うんですね。2日間とも、間違いなくクリーンプログラムといえるパフォーマンスだった。ただ、それではというかそれでもというか、残念ながら届かなかった。それだけレベルの高い試合だったし、周りの選手が力を上げてきた状況にあって、相対的にキム選手のそれが留まるか、あるいは落ちて見えてしまったということもいえるのかもしれません。

でも結果は銀メダルでしたが、それでも文字どおり最後まで優勝争いの中心にあり続けたその強さは、あらためて称賛されるべきものだと思いますし、彼女は既に大変な名声を手にしていますが、それがこれによってさらに高まることこそあれ、揺らぐようなことは決してないだろうと思います。
後輩の選手に何物にも代えがたい経験、そのための機会を与え、祖国の期待を再び一身に集めながら、しかしあくまで自分らしくキャリアに幕を降ろそうとしたキム・ヨナ選手。その姿はどこまでも強く、そして美しいものでした。そんな最高の終幕に、心から拍手を送りたいです。
[ 2014/02/25 23:06 ] 13/14終了した大会 | TB(0) | CM(0)

アデリナ・ソトニコワ選手のオリンピック

率直に言って、試合前彼女が勝つとは思ってもみませんでした。力があることは承知していましたが、正直出来不出来のムラがある選手だという印象がありましたし、同じロシアということでいえば、完全にリプニツカヤ選手の方に目がいっていたので。その彼女が活躍した団体戦のメンバーに選はれなかったことが、個人戦に臨む上で一つの大きなモチベーションになったそうで、そういう負けん気の強さ、とてもいいと思います。競技者に必要な要素ではないかと。

しかし、地元でよく力を発揮できたなー。あの応援をまさに力に変えたというか。演技にすごく勢いがありましたし、パワーが感じられましたよね。生き生きと、溌剌としていた。もっとも、洗練された選手だとはあまり思わないし、そういう意味も含めて、プログラムに恵まれているというイメージも僕にはないのですが、そうした諸々を吹き飛ばすものが今大会のソトニコワ選手にはあった。それはもうめちゃくちゃ感じました。やっぱ「パワー」かな、一言で表現するとすれば。

でも、それだけであの高いスコアは出ないわけで、元々すごいんですよね、彼女の得点力は。きれいに降りれば、ジャンプのGOEはいつも高いですし、その多くがハマれば自ずと得点は高くなるというもの。スピンも独創性のあるポジションや実施はすばらしく、リプニツカヤ選手に次いで(得点的に)その力がある選手といってよいのでは。
あと、今大会はステップでレベル4をそろえられたことも大きかった。ステップの判定は素人…というか僕にはホント難しいので、言えることはないのですが。岡部さんの「ないです」「ないです」解説が聞きたいや。この場合は「ある」の方だけど。

コンポーネンツについても、ユーロではコストナー選手とそれほど差がないスコアをマークした実績はあると。ただ、それ自体どうなんだ?と思うところは、僕自身あります。今回の得点も、正直高いと思う。
でも、僕は僕のフィルターを通してしか物事を見られないし、専門家でもなければその見地から絶対評価ができるわけでもなく、あくまでこれまでジャッジが提示してきたもの、それを単に「見て」、よい言い方をすればそれらを蓄えて、いろんな意味で相対的に「感じる」ことしかできないんだよな。ていうか、いまさらごくごく当たり前のことをいうなよって話ですが。どうせそれでもいうんだろと。いってきただろと。グウの音も出ねー。

…なんか残念な感じになってしまいましたが、まあ至って平常運転ではありますけど、以上を踏まえたり踏まえなかったりして、いちばん自分にとってしっくりくるのは、収まりがよいのは、彼女かなと思います。今大会のチャンピオンは。結果をそのまま受け取っただけのことなのですが。素直にすごいな、すばらしいなと思える、2日間の演技だった。上位の選手は、皆さんそうだったんですけどね。でも、本当にいいオリンピックだったと思います。ソトニコワ選手のそれは。その金メダルに、心からおめでとうと言いたいです。
[ 2014/02/23 21:55 ] 13/14終了した大会 | TB(0) | CM(2)