フィギュアスケートのアレコレ

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【2011/12シーズン】 羽生結弦選手のフリー演技

あらためて、世界選手権の感想から。うーん、何度見ても込み上げるものがある。僕は「泣きそう!」だとか、「感動しました!」だとか、「涙が止まらない!」だとか、そういう言葉を見ると「けっ!」と思うような、そういうとうに泣くことを忘れたくだらねー大人になっちゃってたわけですが、その機能するかどうかもわからない涙腺を刺激するとか、ホント勘弁してほしい。でも、どうしようもないんですよね。感動しようしようと思ってしてるわけじゃないんだから。

本当になんなんだろうと思いますが、ひとつは、テレビの前にいながら会場と一体感を味わえる、それがあるのかなと。いつのまにか引き込まれていくその空気を共有している感覚…ですかね。単に転んでもがんばったから…じゃ、ああはならないんですよ。
あのときの客席の反応を見てもわかりますが、というか自分の胸に聞いた方が早いけど、その前にもう相当引き込まれちゃってるんですよね。だから心の底から驚き、心配し、がんばれ!となり、がんばった!!となる。そして、そこからさらに羽生結弦の世界に引き込まれていったわけで…。

だから元々吸引力がハンパないんですよ。ダイソンか!…ああ、ホント僕野暮なことしてますよね。心揺さぶられるその理由を探るとか。文字にしなくていいことだってあるのに。でも、日頃羽生選手の演技からは「ほとばしる」ものを感じると書いているので、なんか「またほとばしってましたよね?」とつい聞きたくなっちゃいまして。申し訳ない話です。
さて、以下羽生選手の今季のフリー演技の詳細をかんたんに書き出してみました。ジャッジからトータルで「+1」以上の評価を得た要素は赤字、マイナス要素は青字といった具合です。ではでは。

ネーベルホルン杯
-2.57 4T
+1.71 3A
+1.10 3F
+0.57 FCSSp4
-0.60 3Lz+2T
+0.57 CiSt3
+1.86 3A+3T x
-0.11 1Lz x
+0.80 3Lo x
+0.50 CCoSp4
+0.90 ChSt1
+0.10 3S+2T x
+0.57 FCCoSp3

中国杯
+2.00 4T
+1.57 3A
+1.00 3F
+0.71 FCSSp4
-0.10 3Lz
+0.71 CiSt3
-3.00 3A+3T< x
-2.10 3Lz+SEQ x
+0.00 3Lo x
+0.21 CCoSp4
+0.90 ChSt1
+0.00 2S x
+0.64 FCCoSp4

ロステレコム杯
-2.57 4T
+2.00 3A
+0.80 3F
+0.86 FCSSp4
+0.00 3Lz+2T
-0.90 CiSt1
+1.43 3A+3T x
+0.80 3Lz x
+0.00 3Lo+2T x
+0.50 CCoSp4
+1.30 ChSt1
+0.60 3S x
+0.86 FCCoSp3

GPファイナル
+1.14 4T
+2.14 3A
+1.00 3F
+0.64 FCSSp4
+0.90 3Lz+2T
+0.70 CiSt4
+0.57 3A+3T x
+0.10 3Lz+2T+2T x
+0.10 3Lo x
+0.43 CCoSp4
+0.70 ChSt1
-1.70 3S x
+0.64 FCCoSp2

全日本選手権
+1.60 4T
+2.60 3A
-0.42 3F
+1.00 FCSSp4
+1.26 3Lz+2T
+0.98 CiSt4
+1.80 3A+3T+2T x
+0.70 3Lz+2T x
+0.84 3Lo x
+0.40 CCoSp3
+0.98 ChSt1
-0.02 1S x
+0.70 FCCoSp4

世界選手権
+2.43 4T
+2.14 3A
+1.20 3F
+1.00 FCSSp4
+0.50 3Lz+2T
+0.93 CiSt3
+1.57 3A+3T x
+0.10 3Lz+2T+2T x
+0.40 3Lo x
+0.43 CCoSp4
+1.40 ChSt1
+0.00 3S x
+0.64 FCCoSp2

まずは世界選手権を見てもわかるように、彼はいわゆる「加点が取れる」ジャンプが跳べる、それが強みだと思います。降りたあと流れる、その美しさですよね。難しい入り方から難度の高いジャンプを跳ぶこともできますし。いまのところ後半は4つにしていますが、これから先増やすことがあるかもしれないし、そこは選手によってさまざまな戦略がありますから、必ずしも増やせばよいというものでもないと思います。

体力的にも…でもいつも体力体力いっちゃうけど、皆さん後半は厳しいものだし、それにこのプログラムで疲れない方がおかしいわけで。さらにそれも乗り越え、さらなる高みを目指そう!というプログラムだったわけですよね?聞いたわけじゃないけどさ。それに1シーズンかけて挑戦し、見事最後演じ切ったと。そこは何度強調してもし足りないぐらい、大いに称えるべきところかなと思います。
…しかしその後半の体力がというところは、コリオステップ前のCCoSpの加点や、最後のスピンのレベルにも表れているかと。以下、今季のスピンの基本形とでもいいますか、その構成を(青字がレベルの特徴)。

足換えのシットスピン単一姿勢のスピン
フライングエントランス
シット姿勢の難しいバリエーション
(足換え)
シット姿勢の難しいバリエーション

8回転

足換えのコンビネーションスピンスピンコンビネーション
バックエントランス
キャメル姿勢の難しいバリエーション
(足換え)
シット姿勢 (コンボ要件)
アップライト姿勢の難しいバリエーション

8回転

足換えのコンビネーションスピンフライングスピンまたはフライングエントランスのスピン
フライングエントランス
キャメル姿勢の難しいバリエーション

チェンジエッジ
(足換え)
シット姿勢の難しいバリエーション

8回転
アップライト姿勢(レイバック)のバリエーション (コンボ要件)

おそらくこんな感じではないかと。レベルに関係しないものも含め、シット×3、キャメル×2、アップライト(レイバック)×2と、タイプとしてはバリエーションでレベルを獲るタイプの選手といってよいと思います。それそのものの美しさや、たとえばFSSpで見せる腕の表現だとか、そうした工夫・実施における秀逸さも兼ね備えていますから、間違いなくよいスピナーの一人であると。

ただ後半2つのスピンは、やはり体力的なキツさが表れる厳しい位置にあるんですね。コリオステップ前のCCoSpは、いわゆる「A字のライン」で8回転が毎回かなりしんどそうでしたし、最後のスピンも取りこぼすことが少なくなく。このフライングエントランスについては、フリーのスピン3要件(下線部)を満たすためのものです。それから、レベルの特徴としてカウントされるのは、各プログラムで1つだけですから、最初のFSSpでフライングエントリーは使用している、という解釈も成り立つかと思います。

また世界選手権ではチェンジエッジをする余裕がなかったようですし、したとしても変える前と変えた後でそれぞれ2回転以上する必要がありますから、その点でも厳しかったのではないかと思います。キャメル・アップワードについては、安定してから2回転以上回らないと、これも他のスピン同様カウントしてもらえないので、今回落としたのはそこかなと。
ビールマンポジションについては、レベルには関係ない部分だと思います。1つのスピンでカウントされるバリエーションは2つのみ、また片方の足でカウントされるレベルの特徴も2つのみです。あえていえば、足換えのコンボスピンでレベル2以上を取るためには、基本3姿勢がなければなりませんから、その1つであるアップライト姿勢(レイバックのバリエーション)を羽生選手らしく味付けしている、といったところではないでしょうか。構成ともども、確実なことはいえませんが。

とにかく皆さんたいへんな後半部分、特にプログラム的にもタフなものがあった、しかし今後その体力的なところがよりクリアになっていけば、戦略の幅も広がると思いますし、ジャンプやスピン、ステップの加点もより見込めるかもしれない、ということで、その意味ではまだまだ発展途上の選手といえるのかもしれませんし、得点を伸ばす余地もまだまだあると。そうとらえれば、来季以降がより楽しみになるというもの。ちょっとムリヤリですか?

PCSに関しては、今季一貫して高い評価を受けていたと思いますし、その成長が認められるとともに、得点を伸ばしていった、そう解釈してもよいかなと、個人的には思います。基本的に、ジャッジはスケート大好きっ子の皆さんの集まりですから、いい選手のいい演技を見られるのは、この上ない喜びなんですよ。ほとばしるものだったり、心揺さぶるものは、かならずジャッジにも伝わるはずなんです。直接聞いたことないけどさ。時々「あれ?伝わらなかった?」みたいなこともありますけども。

それプラス、素人なりに今度の世界選手権はすごくよく滑っていたのではないか?とも思うので、それら諸々の結果としての「83点」だと、PCSについて楽観的かつ単純な受け止めが過ぎるといわれるかもしれませんが、僕はそう思います。そうなんです、全部「自分はそう思う」だけのことなんですよ。だってそれ以外、何があるっていうんです?
開き直るつもりはありませんし、吸収できることはしていきたいという意思もありますが、自分への戒めとしても、いま一度そこは自分のために確認しておきたいと思います。
んで、羽生選手に対する高評価(だと思います)ですが、僕は大納得です。イイものはイイ!うまいもんはうまい!(つるべ)、そういうことです。
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[ 2012/04/07 16:50 ] 11/12終了した大会 | TB(0) | CM(0)
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