フィギュアスケートのアレコレ

フィギュアスケートのアレコレについて語るブログです。

来シーズンのルール改正について

来月開催予定の第54回ISU総会に向けたアジェンダの最終版(ISU Communication 1723)が公表されました。その中から、主にシングルに関するISU理事会や技術委員会の提案について、ざっくりと触れてみたいと思います。間違いがあるかもしれないので、取り扱いには十分ご注意ください。オラ自信ねー。

シニアの出場可能年齢を(競技会に先立つ7月1日までに)「15歳」(に達している)に統一
ジュニアのダンスとペアの男性について、年齢制限を強化(「21歳」未満から「20歳」未満へ)。ただし、施行は2014/15シーズンから
ノービスについて、年齢制限を強化(「15歳」未満から「14歳」未満へ)。ただし、施行は2014/15シーズンから

ジュニアシニア間の移動を大幅に制限
▽ジュニアの年齢区分には該当するが、「ルール107」に示された大会のうち、「ISU選手権大会」「オリンピック」「ISUグランプリ/ファイナル」「国別対抗戦」に少なくとも2回出場経験のある選手については、ジュニアの国際大会や世界ジュニア選手権に出場できない
▽シニアの国際大会に出場したジュニアの年齢区分に該当する選手/組は、同じシーズンにジュニアの国際大会に出場することはできない。次のシーズン、ジュニア残留を選択することは、依然として可能。しかし再度シニアの大会に出場(シニア昇格を選択)した場合には、ジュニアの(大会に出場する)資格を喪失したものと見なす

→ とにかくISUとしては、試合によって年齢制限がバラバラなのはよくないと。GPで勝ったのに、選手権大会には出場できないとか。あとは、ジュニアとシニアの行き来についてですね。基本、ジュニアはジュニアの選手のためのものだと。それらの線引きをはっきりさせようというのは、僕は非常によいことではないかと思います。

暖房つけろや (ベルンの悪夢はもうごめん!)
SPの後半(1分25秒以降)に実施されたジャンプについては、基礎点を1.1倍
→ 前半ジャンプ固め撃ちは、個人的にはよろしくないと思っているので、その分散を促す改正は、好ましいといえるのではないかと。いろんな意味で後半にジャンプを持ってくるのが難しいことも、間違いないと思いますし。

ボーカル入りの音楽を許可する場合の経過措置として)ボーカル入りの音楽を使用した場合の減点を引き上げ(「1点」を「2点」に)

▽以下、その理由についての原文を引用
Reason: The Committee discussed the proposal of Finland, Figure for a Technical Rules change which will allow vocal music in Singles and Pairs. As there are both positive and negative impacts of the proposed change, the Committee decided to leave the decision to the ISU Congress 2012 (of course if there will be a corresponding proposal for a change in Special Regulations). However in case of the Congress decision to allow vocal music, the Committee recommends to implement it only after OWG 2014. Up to that moment the Committee proposes to increase the deduction for vocal music to avoid any intentional violation of the Rule and to be in line with the Ice Dance violation of music restrictions.

→ 技術委員会としては、もし(シングルとペアにおいても)ボーカル入りの音楽を解禁する場合には、せめて2014年のソチ五輪以降にしてほしいと。それに沿うかたちで解禁が議決された際には、その間の混乱を避けるため、ダンスの現規定(フリーの音楽違反)にあわせるかたちで、減点を引き上げるべきだと。…そういうことなのかな?

オリンピックのペア競技について、フリー進出組を削減 (「20→20」を「20→16」に)
オリンピックのダンス競技について、フリー進出組を削減 (「24→24」を「24→20」に)
▽いずれも現在の選手権大会の基準に統一
→ うーむ…。

衣装の規定に「政治的、宗教的、人種的プロパガンダの禁止」を追加
→ これも過去のトラウマから…でしょうか?

スピンの「中間姿勢」という用語を削除
▽スピンコンビネーションにおける"non-basic position"(中間姿勢に替わる用語)の難しいバリエーションは、今後もレベルの特徴としてカウントされる
レイバックおよびサイドウェイズ姿勢を定義する条文を追加
「難しい姿勢変更はスピンの難しいバリエーションに数えられる」という条文を削除
▽テクニカルパネル・ハンドブックにおいては、既に削除済み

→ スピンについては、今回主に細かい文言に関する提案が多いのかなと。それが実際にどういう影響を及ぼし得るのか、そこは「テクニカル・ハンドブック」の最新版待ちか。

【追加】
SPのスピンコンビネーションについて、「基本3姿勢すべてを含む」を「少なくとも2つの基本姿勢を含む」に

→ 基本3姿勢の不足はレベル1に留まる…という点は変わらないようなので、一体どういう意図がある提案なのか?と頭をひねったのですが、実際には3姿勢がなくても、それはレベルに関わる問題として処理されているわけですから、最低限必要とされる要求を定めたルールとしては…ということなのかな?
いま現在、足換えの要求を満たさなかった(足換え前後に3回転なかった)場合は無価値、左右の足とも少なくとも1つの基本姿勢を含まなければ(SPでは)無価値、足換え前後の回転軸が離れすぎれば無価値、になると思うのですが、この「少なくとも2つの基本姿勢を含む」という要求が満たされない場合も無価値になるのか、総回転数を満たさない場合も無価値にする布石なのか、やっぱ頭がこんがらがってきた。

ステップの「形状」(ストレートライン、サーキュラー、サーペンタイン)についての条文を全削除
▽「ステップシークエンスは氷面を十分に活用しなければならない」という条文を追加し、形骸化しつつあったパターンの区分を廃止
男子のコリオステップ、女子のコリオスパイラルに替わり、新たに「コリオグラフィック・シークエンス」を創設

▽以下、詳細に関する原文を引用
A Choreographic Sequence consist of any kind of movements like steps, turns, spirals, arabesques, spread eagles, Ina Bauers, hydroblading, transitional (unlisted) jumps, spinning movements etc. A Choreographic Sequence for Ladies must include at least one spiral (not a kick) of any length. The Sequence commences with the first move and is concluded with the last move of the Skater. The pattern is not restricted, but the Sequence must fully utilize the ice surface. If this requirement is not fulfilled, the Sequence will have no value. The Choreographic Sequence has to be performed later then the step sequence. The Choreographic Sequence has a base value and will be evaluated by the judges in GOE only.

→ これが今回最大の見どころ…かもしれない。男子のコリオステップの進化系と捉えると、わかりやすいのかな?振付師さんの腕の見せ所だと思いますし、その選手が何を見せたい(魅せたい)のか、みたいなところも大いに問われそうですよね。
女子に関しては、プログラムの構造そのものがだいぶ変わるのかなと。(男子のコリオステップ同様)レベルステップのあとでなければならないという点、おそらくは(必然的に)終盤の見せ場になると思われるので、そこにスパイラルを上手く用いながら、構成しなければならないわけですよね。スパイラルの存在感がますます…とも思うのだけど。
レベルステップとコリオシークエンスを、プログラムの中でどのように位置付けるのか。それぞれの選手の戦略が非常に楽しみです。原案どおり通過すればの話ですが。

レベルの区分を変更 (レベルの特徴を1つも獲得できなかった場合と、1つ獲得した場合の選別を図るため)
▽以下、詳細に関する原文を引用
Basic Level ‐in case of no features, Level 1 ‐in case of one feature, Level 2 ‐in case of two features, Level 3 ‐in case of three features and Level 4 ‐in case of four or more features.
コンポーネンツの段階(および文言)を変更し、全カテゴリーで統一
less than 1 - extremely poor, 1 - very poor, 2 - poor, 3 - weak, 4 - fair, 5 - average, 6 - above average, 7 - good, 8 - very good, 9 to 10 - outstanding.

→ 1より下の段階を新たに設定し、9 - superior, 10 - outstanding となっていたところを 9 to 10に統一。これでより高得点を出しやすくなったりは…しないか。どうだろ。

フリーの滑走順抽選を廃止し、SPの成績順(低→高)に
▽GPシリーズにおける現方式を全採用

→ これも「うーむ…」かなあ。わかりやすいっちゃわかりやすいのだけど、その目線がどこに向いているかといえば…。抽選の妙みたいな要素が、試合からなくなっちゃうわけですよね。SPの結果順の妙?もあるのかもしれないけれど、抽選とイコールではないわけで。単純に1位になるのも考えもの…のような気もするのですが、選手としてはどこで滑ろうが同じ、結局は自分のやるべきことをやるだけ!かもしれないし、単に抽選が成績順に変わっただけ…といえるのかなあ。やっぱ「うーむ…」かも。

以上です。ここちゃうんちゃう?とかありましたらぜひ。ぜひぜひ。助けると思って。
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[ 2012/05/01 21:42 ] ルール関連 | TB(0) | CM(0)
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