フィギュアスケートのアレコレ

フィギュアスケートのアレコレについて語るブログです。

来シーズンのルール改正について (2)

ISU(国際スケート連盟)より「ISUコミュニケーション第1724号」(Communication No. 1724, SINGLE & PAIR SKATING Scale of Values, Levels of Difficulty and Guidelines for marking Grade of Execution)が発行されました。なおこの第1724号は、来月開催される第54回ISU総会の「議決」を前提としたものです。では、ざっくりとですが。

ジャンプの基礎点、加減点幅についての変更はなし
スピンおよびステップについて、「Basic Level」(= "Level B"。フィーチャーなしの場合)を設定
新設予定の「コリオグラフィック・シークエンス」の基礎点および加減点幅は、現行のコリオステップ(スパイラル)に同じ
▽新たな記号(略号)
StSq = Step Sequence, ChSq = Choreographic Sequence

ステップについて、「少なくともパターンの1/2 1/3において上半身の動きを使っている」
ステップについて、「少なくともパターンの半分を片足のみで行う」というレベルの要件を削除 (!!!)

スピンの難度レベル
1) 難しい姿勢バリエーション (以下の制限内において実行された数だけカウントされる
2) ジャンプにより行われる足換え
3) スピン中に同じ足(足換えなし)でジャンプ
4) フライング・エントランスの難しいバリエーション/フライング・シットスピンで踏み切り足と同じ足で着氷または着氷の際に足換え
5) バック・エントランス
6) シット姿勢またはキャメル姿勢、レイバック姿勢、ビールマン姿勢での明確なエッジの変更 (シット姿勢の場合にはバック・インサイドからフォア・アウトサイドのみ)
7) 左右の足とも3基本姿勢全てを含む
8) シットまたはキャメル姿勢でのただちに続けて行う両方向のスピン
9) キャメル姿勢またはシット姿勢、レイバック姿勢、ビールマン姿勢での明らかな回転速度の増加
10) 姿勢/バリエーション、足、エッジを変更せずに少なくとも8回転 (キャメル、レイバック、基本姿勢またはスピン・コンビネーションにおける"non-basic position"での難しいバリエーション)

○レイバック・スピンに対する追加的な特徴項目:
11) バックからサイドまたはその反対に1回の明確な姿勢変更。各姿勢少なくとも3回転 (ほかのスピンの一部分としてレイバック・スピンが行われた場合も数える)
12) レイバック・スピンからのビールマン姿勢 (SP‐レイバック・スピンで8回転してから)

2 - 9, 11, 12がレベルを上げるための特徴として数えることができるのは、プログラム中で(試みられた最初のスピンでの)一度のみ。
10がレベルを上げるための特徴として数えることができるのは、プログラム中で(要求を満たしたと認められた最初のスピンでの)一度のみ。

いずれの基本姿勢における難しいスピン・バリエーションのカテゴリーも、レベルを上げるための特徴として数えることができるのは、プログラム中で(試みられた最初のスピンでの)一度のみ。
"non-basic position"における難しいバリエーションも、レベルを上げるための特徴として数えることができるのは、プログラム中で(試みられた最初のスピンでの)一度(スピン・コンビネーションにおけるもの)のみ。

○いずれの足換えを伴うスピンでも、一方の足で獲得することができる特徴の数は最大2個である。
○足換えを伴うスピン・コンビネーションでは、ショート・プログラム、フリー・スケーティングとも、3つの基本姿勢全てを含むことがレベル2‐4を獲得するために必須である。
○足換えを伴うスピンでは、フリー・スケーティングにおいて、左右の足とも少なくとも1つの基本姿勢を含むことがレベル2‐4を獲得するために必須である。ショート・プログラムにおいてこの要件が満たされない場合には、そのスピンにはレベルは無く、結果として無価値となる。

一応、こんな感じかと。「スピン中に同じ足でジャンプ」と「回転速度の増加」については、従来の「難しいバリエーション」としての扱いではなく、独立したレベルの要件として扱われることに。2から9はプログラム中に一度のみ(新たに「左右の足とも3基本姿勢全てを含む」が仲間入り)。8回転については、「1つのスピンにつき」から「1つのプログラムにつき」(最初に成立したもの)に規制を強化。これは影響大です。
また、「中間姿勢」という用語の削除に関しては、概ねそれが"non-basic position"に入れ替わった、という解釈でよいのではないかと。従来どおり、スピン・コンビネーションでのみその「難しいバリエーション」は認められ、その他のスピンにおいても、総回転数の内に数えられると。

難しいバリエーション」のカウントについては、
1) 基本姿勢または(スピン・コンビネーションのみだが)中間姿勢での1つの難しい姿勢バリエーション
2) 基本姿勢での別の難しい姿勢バリエーション。前項のものとは著しく異なるものであり、
●足換えありの単一姿勢のスピン-前項のものとは異なる足で行うこと
●足換えなしのスピン・コンビネーション-前項のものとは異なる姿勢で行うこと
●足換えありのスピン・コンビネーション-前項のものとは異なる足および異なる姿勢で行うこと

以上の要件が削除され、制限内であればその数だけカウントされる…ことになるのだと思います。たぶん。ただ、その制限の内容が"any type of"ではなく、"any category of"になっているんですね。
従来は同一カテゴリーであっても、「体重分布や体幹分布が明らかに異なる場合」には、そのカテゴリーの「繰り返し」は許容されていたのですが、レベルの要件において「種類」から「カテゴリー」に文言が変更されたところを見ると、どうもそれが認められないような気が…。となると、自ずとバリエーションの数は制限されるわけですよね?
…うーん、ここがどういう解釈になるのか。また各選手の実施を詳細に分析しなければ、なんともいえないところではあるかもしれません。

アップライト姿勢の定義について
any position with skating leg extended or almost extended slightly bent, which is not a camel position
→ (スケーティング・レッグを)「ほとんど伸ばした」→「わずかに曲がった」状態に。従来の但し書きが本文にきた、ということか。

GOEプラスのガイドライン
コリオグラフィック・シークエンス
1) 流れがよく、エネルギーが十分で焦点の定まった演技
2) シークエンス中のスピード、またはスピードの加速が十分
3) 十分に明確で正確
4) 全身が関わり十分にコントロールされている
5) 独創的でオリジナリティがある
6) 無駄な力が全く無い
7) プログラムのコンセプト/特徴を反映している
8) 音楽構造に要素が合っている

GOEマイナスのガイドライン
スピンの追加項目
(最終的なGOEの+-は制約されないエラーとして) Unaesthetic position(s) = -1 to -3
→ あからさまな「レベルを獲るためのポジション」はダメよ、といったところか。バリエーションの要件変更との関連…かな?

ステップの追加項目
(最終的なGOEの+-は制約されないエラーとして) Incorrect pattern (too small) = -1 to -2
→ "too small"でも、とりあえずバリューはもらえるということか。

コリオグラフィック・シークエンス
(最終的なGOEが必ずマイナスとなるエラーとして) Fall = -3, Serious error = -2 to -3
(最終的なGOEの+-は制約されないエラーとして) Stumble = -1 to -2, Does not correspond to the music = -1 to -3, Poor quality of movements = -1 to -2
→ 一応、昨今の流れに沿ったものになっているとは思うのですが、なんかざっくり?という気がしないでもなく。

以上です。ステップの改正については、樋口先生がお喜びになると思います(笑)。
スピンに関しては、より難しくなった…ことは間違いないだろうか? 少しその解釈について、まだ消化できていないところがありまして…。でも、難しくなりましたかね、やっぱり。

先日に引き続き、その取り扱いには十分ご注意いただければ。細かい文言については、一応従来用いられてきたものに近づけたつもり…ではありますが、力不足、チェック不足等々の管理者の問題により、やはりいろいろ難点があるかと。公開しておきながら誠に勝手な話ではありますが、そのあたりにご配慮賜れば、とても幸いに思います。
あと、「ここちゃうんちゃう?」というご指摘も、重ねてお願いします!間違いあるかも!
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[ 2012/05/04 22:08 ] ルール関連 | TB(0) | CM(0)
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