フィギュアスケートのアレコレ

フィギュアスケートのアレコレについて語るブログです。

で、結局どうなん?SP後半ボーナスって。

今シーズンから導入されたSP後半ジャンプの基礎点1.1倍ルール。それを受けた各選手の「選択」は?まずはGPシリーズにおける実施状況から探ってみました。
2戦出場した選手については、一方は後半の判定だったが、他方は前半だった、という例もあるかと思います。その場合は「後半」(を意図した構成)ということで。もっとも、プロトコル上から機械的に抽出しただけですので、たとえば構成の変更があり、要素の順番としては変わらないが、後半を意図したものではなくなった、等の個々の状況の変化には対応していません。それもあまりないとは思うのですが。それではさっそく。

▽男子シングル
後半×2
羽生結弦
小塚崇彦
Florent AMODIO

後半×1
▽アクセルジャンプ
Jeremy ABBOTT
高橋大輔

▽その他のジャンプ (またはジャンプコンビネーション)
町田樹
Alexander MAJOROV
Tomas VERNER
Patrick CHAN
織田信成
Elladj BALDE
Sergei VORONOV
Adam RIPPON
Jorik HENDRICKX

Michal BREZINA (スケートアメリカ)
Javier FERNANDEZ
Denis TEN
Ross MINER
無良崇人
Nan SONG
Kevin REYNOLDS
Yi WANG
Jinlin GUAN
Richard DORNBUSH
Andrei ROGOZINE

後半×0
▽前半3連続
Konstantin MENSHOV
Douglas RAZZANO
Artur GACHINSKI
Liam FIRUS
Michal BREZINA (ロステレコム杯)
Chafik BESSEGHIER

▽その他の構成
Armin MAHBANOOZADEH
Brian JOUBERT
Zhan BUSH
Johnny WEIR

▽女子シングル
後半×2
Ashley WAGNER
村上佳菜子

後半×1
▽アクセルジャンプ
Adelina SOTNIKOVA
Mae Berenice MEITE
Valentina MARCHEI
Viktoria HELGESSON
今井遥 (スケートアメリカ)
Sarah HECKEN
Alena LEONOVA
Rachael FLATT
Elene GEDEVANISHVILI
Kaetlyn OSMOND
鈴木明子
Elizaveta TUKTAMYSHEVA
Gracie GOLD (スケートカナダ)
長洲未来
Kiira KORPI
Zijun LI
Joshi HELGESSON
Ying ZHANG
Bingwa GENG
Agnes ZAWADZKI
Jenna MCCORKELL

▽その他のジャンプ (またはジャンプコンビネーション)
Christina GAO
Amelie LACOSTE
Polina SHELEPEN
浅田真央
今井遥 (NHK杯)

後半×0
▽前半3連続
Ksenia MAKAROVA
Julia LIPNITSKAIA
Gracie GOLD (ロステレコム杯)
Polina KOROBEYNIKOVA
Elena GLEBOVA
Lena MARROCCO

▽その他の構成
Caroline ZHANG
Sofia BIRYUKOVA

というわけで、あらためて(回数という観点からいえば)積極的に活用する選手はそれほどいなかった、というのが率直な感想か。「前半3連続」という選手もなおいますし、グレイシー・ゴールド選手などは、1戦目の失敗を受けてそちらにチェンジしたわけで、そのあたりはまさに、選手それぞれの「選択」ということなのだろうと思います。
なんというか、やはりそう簡単なものではない、ということもいえると思うんですね。選手には多かれ少なかれ、自分のパターンとでもいうべきものがあると思うので。プログラムは異なるけれど、要素の順番、大体の時間、実施する場所等々、ほとんど変わらないという選手も、中にはいますから。

それは極端な話にしても、そうした自分が持つリズムを崩してまで、複数のジャンプを後半に組み込むメリットがあるのか?という点については、慎重になる選手もいるのではないでしょうか。失敗すれば元も子もない、という。そういう難しさがあるゆえの「後半ボーナス」でもあると。
まあ単純にといいますか、このプログラムでは難しいかな?という選手もいたかもしれませんし、今季は間に合わなかった(ルール改正の正式なアナウンスのタイミング的に)、またはちょっと様子見…という選手もいたかもしれませんよね。なにせ、まだ初年度ですから。実際、そのボーナスはどんなもんなのか?それを男子の実施状況から。

スケートアメリカ
+1.86 羽生結弦
+1.86 小塚崇彦
+0.85 ジェレミー・アボット
+0.60 町田樹
+0.46 ミハル・ブレジナ
+0.18 アレクサンデル・マヨロフ
+0.06 トマシュ・ベルネル
+0.00 コンスタンチン・メンショフ
+0.00 アーミン・マーバヌーザデー
+0.00 ダグラス・ラザノ

スケートカナダ
+1.86 フローラン・アモディオ
+1.01 ハビエル・フェルナンデス
+0.82 デニス・テン
+0.73 無良崇人
+0.60 パトリック・チャン
+0.60 ロス・マイナー
+0.53 織田信成
+0.51 エラッジ・バルデ
+0.00 アルトゥール・ガチンスキー
+0.00 リアム・フィルス

中国杯
+1.01 ナン・ソン
+1.01 ケヴィン・レイノルズ
+0.94 Yi WANG
+0.85 高橋大輔
+0.60 町田樹
+0.51 セルゲイ・ボロノフ
+0.47 ジンリン・グァン
+0.42 アダム・リッポン
+0.00 ブライアン・ジュベール

ロステレコム杯
+1.01 小塚崇彦
+0.60 パトリック・チャン
+0.59 デニス・テン
+0.21 リチャード・ドーンブッシュ
+0.00 コンスタンチン・メンショフ
+0.00 ジャン・ブッシュ
+0.00 アルトゥール・ガチンスキー
+0.00 ミハル・ブレジナ
+0.00 織田信成
+0.00 ジョニー・ウィアー

エリック・ボンパール杯
+1.06 フローラン・アモディオ
+0.89 トマシュ・ベルネル
+0.85 ジェレミー・アボット
+0.73 ジンリン・グァン
+0.73 ナン・ソン
+0.00 無良崇人
+0.00 ブライアン・ジュベール
+0.00 ヨリック・ヘンドリックス
+0.00 シャフィック・ベセイエ

NHK杯
+1.86 羽生結弦
+1.01 ハビエル・フェルナンデス
+0.85 高橋大輔
+0.66 アンドレイ・ロゴジン
+0.64 リチャード・ドーンブッシュ
+0.60 ケヴィン・レイノルズ
+0.60 アダム・リッポン
+0.51 セルゲイ・ボロノフ
+0.00 ロス・マイナー

GPファイナル
+1.86 小塚崇彦
+1.74 羽生結弦
+1.01 ハビエル・フェルナンデス
+0.85 高橋大輔
+0.62 パトリック・チャン
+0.60 町田樹

2つ組み込めば、大体1点くらいのアドバンテージ…というのは乱暴か。1点かーと思うところかもしれませんが、SPの1点は結構デカいんじゃないですかね?そのリターンとリスクとを秤にかけて、自分にとっていちばんよいバランスをはじき出す。そのへんの個々の戦略を追うのも、ファンとしては楽しいですよね。

SPのウェルバランス削減から2シーズン、導入しやすい環境は整った。その上で、その間の選手の動向を見きわめつつ、よりバランスのとれたプログラム構成を期待し、オリンピックのプレシーズンにドカンとかます(まあ総会があるので)というのは、ISU的にはグッドタイミングというか、そこしかなかったというか。
しかしそのISUが期待した(であろう)効用というのは、それを超え(たかどうかはわかんないけど)るかたちで、僕は実感したかもしれない。というのも、やっぱジャンプってすごいなと。

それをとても感じさせてくれたのが、このルールを積極的に活用した羽生結弦選手のプログラムであり、小塚崇彦選手のプログラムなんだよな、僕にとっては。ジャンプを後半に2つ配置することで、こうもプログラムの表情は変わるのか!とか、持続する緊張感ハンパねー!とか、そこで繰り出されるジャンプそのものが持つパワーですよね。技術としてのすごさ、またそれがプログラムに与える影響、表現としての武器みたいな。

同じように、ステップを最初に配置した村上佳菜子選手のプログラム構成も素敵だなーと感じ、これまでなかったわけではないけれど、そうした構成を結果として促したこのルールを、僕はとても肯定的にとらえています。単純といわれるかもしれませんが。そんな僕が推す、今季前半のSPベストパフォーマンスは…次の記事で!
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[ 2012/12/29 20:52 ] 調査企画 | TB(0) | CM(0)
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