フィギュアスケートのアレコレ

フィギュアスケートのアレコレについて語るブログです。

「ISUコミュニケーション第1790号」について

国際スケート連盟(ISU)より「ISUコミュニケーション第1790号」(Communication No. 1790, SINGLE & PAIR SKATING Scale of Values, Levels of Difficulty and Guidelines for marking Grade of Execution)が発行されました。以下、その内容(シングルに関する部分)をざっくりと。

▽各要素の基礎点および加減点幅についての変更はなし
ステップ
現行:1) シークェンス中のターンおよびステップが,やや多様 (レベル2),多様 (レベル3),複雑(レベル4)である(必須)
1) Minimum variety (Level 1), simple variety (Level 2), variety (Level 3), complexity (Level 4) of turns and steps throughout (compulsory)
→ レベル1獲得のための必須要件を新たに追加。ベーシックを設定したこととの絡み…ですかね?
Minimum variety must include at least 5 turns & 2 steps, none of the types can be counted more than twice.

現行:2) 完全に体が回転する両方向(左と右)への(ターン,ステップによる)回転.各回転方向とも全体でパターンの少なくとも1/3 はカバーすること.
2) Rotations (turns, steps) in either direction (left and right) with full body rotation covering at least 1/3 of the pattern in total for each rotational direction
→ 「(ターン,ステップによる)回転」になると。うーむ。

現行:3) 少なくともパターンの1/3 において上半身の動きを使っている
3) Use of upper body movements for at least 1/3 of the pattern (変更なし)

現行:4) シークェンスの中に素早く実行する,難しい3 つのターン(ロッカー,カウンター,ブラケット,ツィズル,ループ)の組み合わせ.異なるものを2 つ.
4) Two different combinations of 3 difficult turns (rockers, counters, brackets, twizzles, loops) quickly executed with a clear rhythm within the sequence
→ 「素早く実行する"with a clear rhythm"」 かー。うーむ。つまり、解説が必要だってことだな!

スピン (レベルの要件についての変更はなし)
○Feature 10 counts only once per program (in the first spin it is successfully performed; if in this spin 8 revs are executed on both feet, any one of these executions can be taken in favor of the skater).

→ 「特徴 10」とは、「姿勢/バリエーション,足,エッジを変更せずに少なくとも8 回転(キャメル,レイバック,基本姿勢の難しいバリエーション,非基本姿勢(スピン・コンビネーションのみ))」ですね。これについては、「数えるのは,プログラム中で(最初に成し遂げられた)一度のみである」とされていたわけですが、これがやや舌足らずだったというか問題があったというか、とにかく、この8回転が両足ともに行われた場合には、カウントする際「選手の利益になるよう」裁定がなされると。
要はですね、あるスピン(そのいい例が思いつかん)に対して、「1つ目をカウント→レベル3」ではなく、「2つ目をカウント→レベル4」にしてあげましょう、みたいな。もしかしたら、既になんらかの見解が明らかにされている部分なのかな?でも、結果的に「不利益」を被ったパターンを見たことがあるような気もしますし。
いずれにせよ、スピンそのものの必須回転数を満たそうとして、結果的に(バリエーションなりなんなりが)8回転になっちゃったとか、そういう選手が意図していない(と思われる)方ではなく、選手が意図した(と思われる)方を採用してくれるわけですから、このシステムの基本的な考え方をここでも踏襲した、そういうことだと思います。…たぶん。

○For Spins with change of foot at least one basic position on each foot is mandatory for Levels 1 – 4 in both Short Program and Free Skating.
→ 「足換えを伴うスピンでは,フリー・スケーティングにおいて,左右の足とも少なくとも1 つの基本姿勢を含むことがレベル2 – 4 を獲得するために必須である.ショート・プログラムにおいてこの要件が満たされない場合には,そのスピンにはレベルは無く結果として無価値となる」でしたから、要するに、SPにおいてもフリーにおいても、足換えを伴うスピンでレベル1以上を獲得するためには、「左右の足とも少なくとも1 つの基本姿勢を含む」ことが必須だと。
その意味するところは…フリーについて厳しくなることは間違いないですが、その中身ですよね?これまでのSPと同じ解釈になるのか、そうでないなら、SPについてはどうなるの?ということになるし。単純に考えればいいのかどうなのか。

GOE
○ステップとコリオシークエンスについて、プラス面の(ガイドライン)「8」、すなわち「音楽構造に要素が合っている」が"element enhances the musical structure"に。レベル要件の変更とあわせて見れば、その考え方について合点がいく…のかな?

○エラーに対するガイドラインのジャンプ(フリップとルッツ)について、「最終的なGOE の+-は制約されないエラー」として「"UNCLEAR EDGE TAKE-OFF F/Lz (no sign)"="-1"」という項目を追加。これに関しては、基本的にジャッジの裁量を拡大する方向で、これまでも改正が進んできましたから、その流れに合致するもの、ととらえて問題ないかと。サインがあろうがなかろうが、「自分の目」で見てくりゃれ。そんな感じ。

○エラーに対するガイドラインのスピンの「足換え」について、"Change of foot poorly done (curve of entry, except when changing direction/exit, moving to non-basic position. etc.)"に。「両方向」のスピンをもっとやってほしいんすかね?

以上です。いつもどおり、あくまで僕の解釈に基づいて(この記事は)展開されていますので、その取り扱いには十分ご注意ください。
今回はオリンピックシーズンということもあり、また間の年でもありますから、運用の変更、それも規模としては比較的小さなものに留まる、ということはいえるかもしれません。
が、ステップやコリオシークエンスに関する部分を見ると、結構(か大層かそうでもないかはまかせた!)重要なといいますか、(求める)「演技」についてのISUの考え方だったり、希求する方向性だったり、そんなものが見える改正になっているのかも。それってどういうこと?そんなこと聞かれても、僕に答えられるわきゃないけどね!
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[ 2013/04/29 22:27 ] ルール関連 | TB(0) | CM(2)
こんにちは。

コミュニケーションを読むと、テクニカルパネルがeを付けたもののうち、重度のエッジエラーとジャッジが判断したもの(-2か-3で最終的なGOEが必ず負)、テクニカルパネルがeとしたもののうち、ジャッジが曖昧なエッジと判断したもの(-1か-2で最終的なGOEの正負は必ずしも制約されない)、テクニカルパネルがeを付けなかったもののうち、ジャッジが曖昧なエッジと判断したもの(-1で、最終的なGOEの正負は必ずしも制約されない)という感じの三段階で減点の度合いを区別するみたいですね。
三つ目が加わったことについては、私もジャッジの裁量拡大と読みました。また、テクニカルパネルが見逃しても、減点される場合もあるという意味において、厳格化ともいえますね。
関係があるかどうかは分かりませんが、国別の女子で、エッジエラーのGOE減点が厳し目(あるいは幅が大きいというべきか)に感じていたので、来季の傾向がどうなるのか、注目したいです。
[ 2013/04/30 23:48 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
Tiffanyさん、こんばんは。

> 三つ目が加わったことについては、私もジャッジの裁量拡大と読みました。また、テクニカルパネルが見逃しても、減点される場合もあるという意味において、厳格化ともいえますね。

いわゆる「ロングエッジ」については、あらためてそのルールの変遷をまとめてみたいと思っています。基本的には、別段いうことはないといいますか、あってもおかしくない条項のように僕は感じました。いずれにせよ、おっしゃるように来季の実際の評価に注目ですね。

タロウ
[ 2013/05/07 21:34 ] [ 編集 ]
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